人は誰でも、甘えながら生きているのです。
甘えることは恥ずかしいことではありません。
甘えを自覚していないことの方が、よっぽど恥ずかしいことです。
大人としての責任や義務を放棄して権利ばかりを主張する、いわゆる、甘ったれるのとも違います。
ここでいう甘えとは、人と互いに依存し合って生きているということを自覚することです。
人間は誰でも、人との関わり合いの中で生きがいを見出して生きています。
無人島で一生ひとりぼっちで生きていかなければならないとしたら、何の喜びも感じられないでしょう。
人は、人に依存しなければ生きていけないのです。
妻に暴力を振るう夫も、甘えています。
普通、赤の他人に暴力を振るえば、警察に捕まり、罰せられます。
妻だから許してくれる、と甘えているのです。
許されることで、自分が受け入れてもらっているという錯覚を起こしています。
家出や非行を繰り返す少年少女も、まわりの人間がどこまで自分のことを真剣に心配してくれるかを試しています。
わざと問題行動を起こすことで、こんなにまで傷ついた自分の気持ちを誰かに理解してほしいと望んでいるのです。
店員に偉そうにする客や、会社でふんぞり返っている上司も、本当は劣等感が強いから、立場上自分に逆らえない人間に対していばることで、ちっぽけな自尊心を保っています。
いくら偉そうにしたくても、無人島でひとりきりでは、偉そうにできません。
自分を誇示する対象としての他者を必要とするのです。
人をバカにしておきながら、実は、偉そうにさせてくれる相手として、他人を必要とし、依存しているのです。
どんなに強がっていても、いばっていても、人は誰でも、人に甘えて生きています。
人格に問題のある人は、その甘え方が下手なのです。
自分は誰にも甘えることなく生きているという人がいたら、それは思い上がりです。ただ甘えを自覚していないというだけのことです。
そういう人は、人の甘えも許すことができません。
自分は人に依存しておきながら、人に感謝する気持ちもありません。
大人だって、素直に甘えていいのです。
甘えたいという欲求を素直に自覚することで、多くのストレスや悩みは解決するでしょう。
自分を人に受け入れてもらうかわりに、自分も人を受け入れてあげる、それが人間関係の基本です。
上手に人に甘え、また人にも甘えさせてあげましょう。
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